TOP > 製品情報 > 関連機器・新技術 > ポンプ本体による渦の抑制技術
排水機場において、既存水槽寸法のままでポンプ容量を増量、または、運転可能水位を下げる場合、水槽内の流速が速くなり、有害な渦(水中渦、空気吸込渦)が発生します。その対策として、吸水槽内に渦流防止板を設置する方法がありますが、これら土木構造物の設置には多額の工事費と日数がかかります。
当社は、ポンプ性能に悪影響を及ぼす有害な渦をポンプ本体で抑制することにより、渦流防止板を不要とし、土木工事費の削減、工事の安全性向上、工期の短縮を可能にしました。
近年、人口の集中による都市化の進行やゲリラ豪雨の発生などにより、排水機場には大量の雨水が短時間で流れ込んでくる傾向があります。そのため、排水機場では従来のポンプよりもさらに多くの排水を行うため、大容量ポンプへの取替えや増設が行われるようになりました。
ところが、排水機場の既存水槽の形状や寸法がそのままでポンプ容量をアップ、または、運転可能水位を下げると、水槽内の流速が速くなり、水中渦や空気吸込渦が発生します。これらの渦は、吐出し量の減少や振動、騒音などポンプに悪影響を及ぼす原因になります。
ラッパカンを二重にすることにより、吸込口周りの流速分布および旋回流れを変化させ、水中渦の発生を抑制します。
※JISでは吸込ベルと呼びますが、当社ではラッパカンと呼びます。
縦配管で旋回流れを変化させ空気吸込渦の発生を抑制し、
渦が発生してもリング状配管で渦の成長を防止します。
※二重ラッパカンと渦対策リングによる渦対策は、横軸ポンプにも適用可能です。
水槽全体の流れ
ポンプの大きさや配置だけでなく、水槽の形状や寸法もポンプ場ごとで異なるため、従来は渦の発生状態などを検証するのにポンプや水槽を比例縮小した模型試験を実施していました。
『CFD解析』(数値流体力学:コンピュータによって流れを観察する数値解析)では、コンピュータのシミュレーションによって渦の発生状態や対策の効果検証を行います。模型試験での効果検証と同等の結果を得ることができ、検証に必要な日数が飛躍的に縮減され、渦や対策の形状、寸法、配置などを様々なパターンで検証することが可能となります。
ポンプ場における排水量アップ、ポンプ井の水位低下対策を
ご計画される場合はぜひご相談ください。
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