株主の皆様には、平素から格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
世界を一変させた新型コロナウイルスのパンデミックも3年目に突入しました。いまだ完全終息にはいたらないものの、世界各地でワクチン接種が進むとともに様々な規制が緩和されるなど、ウィズコロナの日常が広がりつつあります。一方、2021年度も終盤に差し掛かった頃より、ロシア・ウクライナ情勢に緊張が走り、瞬く間に軍事侵攻へと突入。尊い人命が脅かされているのはもとより、世界全体のビジネス、政治経済、物流、エネルギー問題など、あらゆる方面に大きな影響が及んでいます。
依然として気の抜けない一年ではありましたが、私たちトリシマは、「ポンプで省エネ」「ポンプで安心・安全」を届けるという自社の使命を着実に果たし、受注高679億円、売上高522億円、営業利益45億円といずれも過去最高の業績を達成することができました。受注高においては、1919年の創業以来、初の600億円を突破。これは、中東および北アフリカでの海水淡水化や大規模かんがいプロジェクト向けに大型ポンプを多数受注したことが主な要因です。当社のポンプで、人々の暮らしや社会を支え、国の発展の基盤となるインフラ整備に貢献できることをとても嬉しく、そして誇りに思います。
また、2021年度は、新しい中期経営計画Beyond110を定め、着実に取り組んできました。いずれも最終的なゴールは、2050年のカーボンニュートラルの実現をめざすものであり、当社が長年にわたって培ってきた技術と経験が存分に活かされるものと信じています。当社はカーボンニュートラルという言葉がまだ一般的でなかった2009年頃より、ポンプの高効率化や仕様の最適化によって消費電力量とCO2排出量を削減する「ポンプdeエコ」活動を積極的に推進。また、異常気象により頻発化するゲリラ豪雨に対し、少しでもその被害を軽減できるよう独自の技術を開発するなど、ポンプメーカーとしてできることを粛々と進めてきました。
過去を振り返ると、急激な海外進出で生産が混乱し業績が安定せず、株主の皆様にもご心配をかけた時期もありました。しかし、基幹システムの刷新、生産性の向上、採算性管理の徹底など、抜本的な改革を進めるべく取り組んできた一つひとつの策が功を奏し、企業体質そのものが強化されてきました。それと同時に、つねに時代の一歩先を見据えて取り組んできた挑戦スピリットも、中長期的な成長ドライバーの一つです。たとえば、2015年度より開発に着手した回転機械のモニタリングシステムTR-COM。従来のタイム・ベースト・メンテナンス(定期的な保全)から進化し、コンディション・ベースト・メンテナンス(状態に基づいた保全)の可能性を秘めた独自のサービスで、順調に受注を重ねてきました。さらに2022年には、高圧ガス保安法等の一部が改正される見通しで、IoTを活用したメンテナンスが推奨されており、時代の追い風を強く感じています。
また、脱炭素社会の実現に欠かせない次世代エネルギー分野も、当社が活躍できる市場として重要視しています。中期経営計画の施策の一つにも掲げているアンモニアを取扱うポンプの開発は、設計・研究開発部門と営業部門が連携して取り組んだ結果、高い評価を受け、日本初のアンモニア混焼火力発電の実証事業に当社も参画することとなりました。また2021年12月には、アンモニアや水素の製造、供給拠点として確立されつつあるオーストラリアにおいて、高い技術力とプレゼンスを持つサービス会社を買収。このロケーションに拠点を構えておくことは、近い将来、必ず拡大していく新市場進出への布石になると考えています。
さらに生産現場でも、次世代のモノづくりと言われる金属3D積層造形(Additive Manufacturing)を導入するなど、従来の枠組みにとらわれない発想で設計とモノづくりの革新を起こしていきたい。そのための成長投資は積極的に行っていくつもりです。
2020年度、2021年度と二期連続の最高益を達成できたのも、こうした機械メーカーとしての基盤固めに加え、リスクを恐れずに挑戦してきた成果であり、従業員一人ひとりの努力の賜物にほかなりません。
この好業績を受けて、株主の皆様へも感謝を表し、2021年度の一株当たりの期末配当は26円、合計は前年度より21円増配の42円とさせていた だきました。さらに2022年度は、2円増配の年間44円に加え、1億円の自己株式購入を予定しております。
世界はつねに波乱に満ち、予測不能な時代になっています。しかし私たちトリシマは、2050年のありたい姿「社会に欠かせない企業になる」という目標に向かって、従業員一同、これからも邁進してまいります。
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