サステナビリティ

環境(Environment):
サステナブルな地球を守るために

サステナブルな地球を守るために
~気候変動対策に向けた取組み~

地球温暖化の進行によって、猛暑や豪雨の頻発、海面上昇など、世界は今、このままでは立ち行かなくなる事態に陥っています。そこで2016年、「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より充分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」国際的な枠組み「パリ協定」が採択されました。
日本も2020年10月には、2050年に脱炭素をめざす「カーボンニュートラル宣言」を発表。社会的責任ある企業としてトリシマも、自社の事業活動における取組みと自社製品・サービスにおける取組みの双方で、環境負荷の低減、気候変動への対策を進めています。

1.自社の事業活動における取組み

大阪高槻市にある本社工場ビルでは、生産活動における①二酸化炭素、②産業廃棄物、③第一種指定化学物質の排出量の削減を進めています。また、資源・エネルギーの投入においても、原油換算エネルギー使用量や水資源使用量を把握し、削減に努めています。
詳しい数値は、ESGデータ集をご確認ください。

また、本社工場ビルは、「ZEB Oriented(ゼブ オリエンテッド)」の評価基準を達成し、使用する電力の100%を再生可能エネルギー由来としています。

本社工場ビル

さらに、エコポンプを製造している九州トリシマでも、2022年10月より、製造工程における電力はもちろん、事務所内での使用電力もすべてグリーン電力化を実現。エコポンプは、一般の汎用ポンプとは一線を画す高効率ポンプで、消費電力とCO2の排出を大きく削減することから、その製造工程においても省エネに貢献することをコンセプトとしています。

九州トリシマ

購入電力の100%を再生可能エネルギー化

再エネECOプランロゴマーク

本社工場ビルにおける購入電力の100%(約125万kWh)は、関西電力株式会社が提供する「再エネECOプラン」を活用し、バイオマス・風力・太陽光発電などの再生可能エネルギー由来としています。

「ZEB Oriented(ゼブ オリエンテッド)」評価基準を達成

ゼブオリエンテッドロゴマーク

近年、SDGsなどへの注目が高まり、エネルギー消費量の削減が必要とされるなか、年間消費エネルギー量が大幅に削減された建築物であることを示すZEBのさらなる普及のため、定義が拡充され「ZEB Oriented」が 制定されました。「ZEB Oriented」は、延床面積10,000m²以上で、用途ごとに定められた省エネ率を達成、かつ未評価技術の導入が条件になっています。 本社工場ビルでは、南側の庇や気温変動の大きい東西面に階段・トイレ・倉庫を配置するなど、建物計画の工夫とCO2濃度による外気量制御や自然換気システム、デシカント空調システムなど先端技術の導入で、40%以上のエネルギー消費量の削減を図っています。

本社工場ビル建物イラスト

2.自社製品・サービスにおける取組み

スーパーエコポンプによる省エネ推進

ポンプdeエコロゴマーク

ポンプは心臓に例えられるように表からは見えないですが、止まると社会活動がストップしてしまう非常に重要な機械です。それだけに稼働台数が多く稼働時間も長いため、大量の電力を消費するのも事実。日本の総消費電力量のうち、約3割をポンプが占めるとも言われています。

省エネ大賞

トリシマはこれを機会(オポチュニティ)と捉え、既存のポンプをエコポンプに取り換えることで消費電力とCO2を削減する「ポンプdeエコ」活動を2009年より推進。多くのお客様にその効果を実感いただき、2014年度にはポンプ業界としては初となる「省エネ大賞経済産業大臣賞」を受賞しました。
2021年度からはさらなる高効率化を進め、一般の汎用ポンプとは一線を画す超高効率ポンプの開発を行っています。

詳しくはエコポンプサイトへ

大雨洪水対策向けポンプによる減災技術の推進

減災技術の推進イメージ

近年、地球温暖化により異常気象が続き、世界各地でゲリラ豪雨や洪水が頻発しています。トリシマは、独自の技術で防災、減災に貢献する製品を開発しています。

大雨イメージ

大雨が降ったとき街が浸水しないよう、雨水を河川に排水するのが雨水排水ポンプです。近年では頻発する集中豪雨に備えて、より排水能力の高いポンプが求められるようになりました。ところが排水能力が高まると水の流れが速くなり、水を吸い込むときに大量の渦が発生、ポンプが騒音や振動を起こし故障につながります。従来は渦を防ぐために渦防止板を設置していましたが、多額の費用と日数がかかるうえ危険も伴います。そこでトリシマは、ポンプ本体で渦を抑制する技術を開発。渦防止板が不要となり、工事費用や工事日数の削減はもちろん、安全性の確保も実現しました。

詳しくはポンプ本体による
渦の抑制技術へ

万一の浸水時も運転可能なモータ一体型ポンプ

ポンプはモータで駆動させるため、大雨が降ってポンプ場が水に浸かると、モータが水没してポンプが運転不能となります。トリシマが開発した耐水モータ一体型ポンプは、ポンプとモータを耐水・一体化した水密構造で、ポンプ場が万一浸水しても問題なく運転でき、排水機能を確保することができます。

浸水で機能停止となったポンプ
耐水モータ一体型ポンプ
詳しくはモータ一体型ポンプへ

アンモニア・水素など次世代エネルギー向けポンプの開発

次世代エネルギー向けポンプ

火力発電向けポンプの製造で培った高度な技術を活かし、地熱発電やバイオマス発電など再生可能エネルギー向けのポンプも数多く製造、国内外に提供しています。とくにバイオマス発電向けのボイラ給水ポンプは競争力が高く、国内シェアの約9割を占めています。

また、2021年度からは火力発電所におけるCO2削減技術の一環として、アンモニア混焼実証事業が官民一体となって進められていますが、ここにもトリシマがポンプを提供する予定です。アンモニアや水素など、CO2を排出しない次世代エネルギーには大きな期待が寄せられており、液化して大量運搬するためには大型遠心ポンプが欠かせません。トリシマは、そのトップメーカーの一社として使命感を持って取り組んでおり、水素向けポンプにおいても2023年度中には国内初となる実液での性能試験を行う予定です。

さらに、2023年6月には、NEDO*が公募する「大規模水素サプライチェーンの構築に関わる技術開発」に対して、「大流量・高圧・高効率な液化水素昇圧ポンプの開発」を提案し、採択されました。他社に先駆けて、商用化に向けた本格的な製品開発を進めています。

※国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

大流量・高圧・高効率な
液化水素昇圧ポンプの開発について

フィッシュ・フレンドリー・ポンプ(FFP)の開発

古代より食用魚として長い歴史を持つヨーロッパウナギが、近年では絶滅危惧種に指定されています。乱獲や工業化による生態系の攪乱などが主な要因ですが、ウナギの回遊経路にあるポンプ場でポンプに吸い込まれて命を落とすことも個体数減少の一因と言われています。そこでトリシマは、ウナギがポンプに吸い込まれても、そのまま泳いで出られるようインペラ(羽根車)を改良したフィッシュ・フレンドリー・ポンプ(FFP)を開発しています。これにより、ポンプに吸い込まれたウナギのうち90%以上が生きたままポンプを通過することができます。

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