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中期経営計画

中期経営計画「Beyond110」

Medium-Term Management Plan

トリシマは変化の激しい昨今において、揺るぎない基盤のもと、中長期先を見据えた経営計画「Beyond110」を策定しました。
2021年度を初年度に、ここに掲げた施策を一つひとつ着実にこなしながら、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて社会貢献と事業成長を両立させ、「社会に欠かせない企業」をめざします。

2050年 脱炭素社会の実現に向けたトリシマの長期ビジョン

経営目標(2023年5月策定)

2021年度の計画策定当初に掲げた目標は、創業110周年の2029年度で売上高600億以上、営業利益50億以上、経常利益56億以上をめざすというものでしたが、2022年度ですでに2029年度の計画を達成しました。
これは、近年の収益体制の強化に向けたさまざまな取組みが奏功したこともありますが、想定していなかった海外での大型案件が寄与したことも事実です。そこで再度、大型案件を除いた通常ベースで計画を見直し、新たな経営目標を設定しました。
具体的な取組みとしては、これまで通り以下に掲げた「短期ベースの社会貢献事業(既存技術のダントツ化)」と「中・長期ベースの社会貢献事業(新技術開発の推進)」を進めながら、2029年度に向けて、売上CAGR*6.0%、営業利益9.0%以上、ROE9.0%以上をめざします。

売上高

2029年度に向けた経営目標
2019-2022年度実績 2029年度目標
成長性
(売上CAGR*)
11.6%
(大型案件を除くと5.8%)
6.0%以上
収益性
(営業利益率)
6.9%
(4年間平均)
9.0%以上
効率性
(ROE)
7.6%
(4年間平均)
9.0%以上

※Compound Average Growth Rate(年平均成長率)
複数年にわたる成長率から1年あたりの平均を求めたもの。CAGR6.0%の場合、1年後:100×1.06=106、2年後:106×1.06=112.36、3年後:112.36×1.06=119.10となります。

Beyond110

各取り組みの進捗状況は決算説明資料でご確認ください。

短期ベースの社会貢献事業
(既存技術のダントツ化)

Short-Term Actions

  • Point 01 スーパーエコポンプによる省エネ推進

    Action 1.

    スーパーエコポンプによる省エネ推進

    ポンプは心臓に例えられるように表からは見えないけれど、止まると社会活動がストップしてしまう非常に重要な機械です。それだけに稼働台数が多く稼働時間も長いため、大量の電力を消費するのも事実。日本の総消費電力量のうち、約3割をポンプが占めるとも言われています。

平成26年度省エネ大賞

トリシマはこれを機会(オポチュニティ)と捉え、既存のポンプをエコポンプに取り換えることで消費電力とCO2を削減する「ポンプdeエコ」活動を2009年より推進。多くのお客様にその効果を実感いただき、2014年度にはポンプ業界としては初となる「省エネ大賞経済産業大臣賞」を受賞しました。2021年度からはさらなる高効率化を進め、一般の汎用ポンプとは一線を画す超高効率ポンプの開発を行っています。

  • Point 02 気候変動対策向けポンプによる減災技術の推進

    Action 2.

    気候変動対策向けポンプによる減災技術の推進

    近年、地球温暖化により異常気象が続き、世界各地でゲリラ豪雨や洪水が頻発しています。
    トリシマは、独自の技術で防災、減災に貢献する製品を開発しています。

ポンプに悪影響を及ぼす渦の発生をポンプ本体で抑制

ポンプに悪影響を及ぼす渦の発生を
ポンプ本体で抑制

大雨が降ったとき街が浸水しないよう、雨水を河川に排水するのが雨水排水ポンプです。近年では頻発する集中豪雨に備えて、より排水能力の高いポンプが求められるようになりました。ところが排水能力が高まると水の流れが速くなり、水を吸い込むときに大量の渦が発生、ポンプが騒音や振動を起こし故障につながります。従来は渦を防ぐために渦流防止板を設置していましたが、多額の費用と日数がかかるうえ危険も伴います。

そこでトリシマは、ポンプ本体で渦を抑制する技術を開発。渦流防止板が不要となり、工事費用や工事日数の削減はもちろん、安全性の確保も実現しました。

ポンプ本体による渦の抑制技術
ポンプ本体による渦の抑制技術

万一の浸水時も運転可能なモータ一体型ポンプ

ポンプはモータで駆動させるため、大雨が降ってポンプ場が水に浸かると、モータが水没してポンプが運転不能となります。トリシマが開発した耐水モータ一体型ポンプは、ポンプとモータを耐水・一体化した水密構造で、ポンプ場が万一浸水しても問題なく運転でき、排水機能を確保することができます。

耐水モータ一体型ポンプ
浸水で機能停止となったポンプ
耐水モータ一体型ポンプ
  • Point 03 データに基づくスマートメンテナンスの提供

    Action 3.

    データに基づくスマートメンテナンスの提供

    日本は少子高齢化に突入し、人手不足や技術継承などの問題が深刻になっています。その解決策のひとつが、DXを活用したスマートメンテナンス。トリシマはこの課題を解決すべく、2015年より新しい製品の開発に着手、2018年には小型センサ一つで機械の状態を遠隔監視できる回転機械モニタリングシステム「TR-COM」をリリースしました。10,000Hzまでの高周波を取得することで、従来は難しかった故障予知も可能にし、作業現場のオペレーション&メンテナンスを劇的に効率化します。2022年11月には、経産省が推奨する「スマート保安技術」として認定されました。

システム全体イメージ
  • Point 04 アンモニアを取扱うポンプの高機能化

    Action 4.

    アンモニアを取扱うポンプの高機能化

    カーボンニュートラルの実現に欠かせないのが、アンモニアや水素など次世代エネルギーの活用です。アンモニアに関してはすでに愛知県でアンモニア混焼20%発電の実証試験の計画が進められており、ここにトリシマもポンプメーカーとして参画しています。今後、より現実的に商用化を進めていくには、大量運搬が必要となり、トリシマが得意とする大型の遠心ポンプが欠かせません。この新市場で大きく貢献できるよう、ポンプの高機能化を進めています。

中・長期ベースの社会貢献事業
(新技術開発の推進)

Long-Term Actions

  • Point 05 水素・CO2を取扱うポンプの研究開発

    Action 5.

    水素・CO2を取扱うポンプの研究開発

    燃やしてもCO2を排出せず、枯渇することもない夢の燃料として、アンモニアと合わせて注目が高まっているのが水素です。アンモニアと同様、コスト低減のためには大量運搬が必要ですが、水素を液化するにはマイナス253℃まで冷やさなければならず、トリシマを含み多くのメーカーにとって未知の領域です。トリシマは、極低温ポンプに強みをもつ海外の企業を連結子会社化とすることで技術力を高めたり、アカデミック機関と共同研究を始めたりするなど、水素用ポンプの開発にも着手しています。

    「水素対応ポンプ加速」(日刊工業新聞記事)はこちら

  • Point 06 風力発電事業への人・モノ・カネの投入

    Action 6.

    風力発電事業への人・モノ・カネの投入

    カーボンニュートラル実現に向けて、日本政府が掲げている政策の一つが風力発電の拡大です。2019年度時点で、日本での導入実績は陸上風力が4.2GW、洋上風力はごくわずかですが、2030年に向けては、陸上風力で18~26GW、洋上風力で10GWと野心的な目標が掲げられています。
    トリシマは、風力発電事業の国内トップデベロッパーである風力発電開発会社(JWD)と、風力発電所の運営・保守を行うイオスエンジニアリング&サービス会社へ出資。また、自社のエンジニアをJWDヘ出向させ、最新の情報や技術の交換を行っています。

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