CASE 01 バルブで吐出量を調整しているポンプ

まず検討して欲しいのが、バルブを絞って運転しているケース。せっかくのポンプの仕事をバルブで絞っている場合は、バルブ絞りを⼩さくできるポンプを選定するか、インペラカットで仕様点を合わせることが有効です。
トリシマではお客様の設備状況(ポンプ要求仕様点)に対して、ポンプの余分な消費動⼒を抑えるために、インペラの外径加⼯(インペラカット)を⾏っています。余分な圧⼒‧余分な動⼒を削減することで省エネが期待できます。

必要な仕様が変動する場合においてはインバータが非常に有効です。変動がない場合は、インバータロスが発生しないインペラカットのほうが省エネできます。
適切な仕様を検討してからインペラカットするため、バルブを開けた際に懸念される原動機容量オーバーや圧力不足は心配ありません。
バルブ全開に近い状態で運転することで配管の騒音抑制にもつながります。

CASE 02 年間の稼働時間が⻑いポンプ

稼働時間が⻑ければ、単純に効果の絶対値は⾼くなります。たとえば、消費電⼒が10%削減できるポンプに更新しても、1⽇2時間しか運転していないポンプと20時間運転しているポンプでは、得られる効果は10倍違います。
省エネを実施するポンプの優先順位を考えるときに、実際の稼働時間を考慮するのは必須です。

省エネ方法に照明LED化が多くあがるように、稼働率が高い設備においては小さいポンプであっても消費電力は意外とあるもの。
年間どの程度の削減になるのか、まずは試算してみてはいかがでしょうか。

CASE 03 電動機の定格出⼒が⼤きいポンプ

CASE02と同様に、効果の絶対値が⼤きくなります。3.7kWのモータと37kWのモータでは、得られる効果は10倍違います。もちろん、3.7kWでは効果が出ないという意味ではないので、⼯場や設備で容量の⼤きいポンプを優先的に選ぶといいでしょう。
目安としては、11kW以上のモータであれば、十分な効果が見込まれます。

出力の大きいポンプは効率が低いと振動、熱、音に変わったエネルギーによりポンプ損傷につながる可能性があります。
効率の高いポンプを使用することで静粛性の向上や故障頻度の低下など、エネルギー以外のメリットもあります。

CASE 04 ⽼朽化しているポンプ

⽼朽化の更新でよくあるケースとして、既設で使⽤しているメーカーの同型式のポンプに更新するケースです。取り合い⼨法が同じなので、配管⼯事も必要もなく、⼿軽に更新できます。それが許されていた時代もありますが、現在は、状況も環境も違います。「ポンプのプロが教えるお役立ちコラム」のページでも説明していますが、ポンプは、電⼒費がライフサイクルコストの約90%を占めます。⼯事費を考慮しても、ランニングコストで⼤きく差が出るケースが多々あるため、更新の際は、⾼効率の機器に取り替えることを検討するといいでしょう。

家電製品と同じように、ポンプも使えば使うほど性能は低下するものです。
劣化分の効率回復+最新機種選定による効率UPで大幅な省エネも見込めます。

CASE 05 新規設備に導⼊するポンプ

使用状況にもよりますが、メンテナンスをしっかりすれば、ポンプは15~20年は使うことができます。ということは、最初にポンプの選定を誤ると、15年もの間、ムダなエネルギーとコストを費やすことになりますし、CO2の排出量も増えます。脱炭素化への意識が高まっている昨今では、ポンプのランニングコストまでご検討されるお客様も増えてきました。

効率の高いポンプを選ぶことによって最大需要電力(デマンド値)を下げられる可能性もあります。新規設備を導入する際は、省エネの大きなチャンスです。ぜひ、ポンプのプロ、トリシマにご相談ください!