お客様の声 エコポンプニュース Vol.74ボイラ給水用輪切型高圧多段ディフューザポンプMMK/L-Eを導入
~ポリプラスチックス株式会社 富士工場での事例~
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※2018年2月時点の原稿です

富士は日本一の山~♪ここは富士市、富士山がとても大きく美しく見え、富士山が「日本の心」と言われる所以が今はじめてわかったような気がします。今日はそんな富士市にあるポリプラスチックス株式会社の富士工場にやってまいりました。ポリプラスチックス株式会社は、熱に強く機械的強度の高い金属に替わる材料として開発されたポリアセタール樹脂を日本で初めて製造・販売したエンジニアリングプラスチックのトップメーカーです。例えば、ポリアセタールのひとつジュラコン®は、自動車や携帯電話の部品などに使われ、国内シェア60%を誇っています。1964年に創業し、トリシマはそれ以来、約50年に亘りお付き合いさせていただいています。

▲ポリプラスチックス株式会社 富士工場

今回はトリシマでエコポンプと呼んでいる汎用ポンプCAシリーズではなく、ボイラ給水ポンプMMK-EおよびMML-Eを紹介します。ポリプラスチックス株式会社では1999年以降、富士工場の「操業に必要な蒸気」と「電力」の供給のため、C重油ボイラと蒸気タービン発電設備を保持し、このボイラに給水するポンプにトリシマ製ポンプMHG(モータ容量2,000kW)が使われていました。これまで15年活躍し、8万kWボイラに2台で交互に給水していたこのボイラ給水ポンプMHGは、この富士工場内では一番高圧なポンプです。

ところが生産拠点の海外シフトなどにより国内での生産量が低下、また電力会社とのIPP契約が終了した(売電できなくなった)ことで、「操業に必要な蒸気」と「電力」はこれまでより少なくてすむようになりました。その上、設備が老朽化してきたこともあり、小規模ボイラ設備に更新することに決定しました。

新しい設備では発電はせず、「操業に必要な蒸気」のみを供給できる小型の都市ガスボイラを複数台設置しました。新設備では、生産量の変動に合わせボイラ運転台数を自由に変更でき、常に最適な台数で蒸気を供給できます。ボイラ給水ポンプはメインのポンプとしてMML-E(モータ容量150kW)が2台設置されました。またその他、用途に合わせMML-E(モータ容量15kW)1台とMMK-E(モータ容量45kW)2台も新たに設置されました。

▲ボイラ給水ポンプ(口径40mmと80mm)とボイラ

※IPP:Independent Power Producerの略称で、独立系発電事業者のこと。独立系発電事業者とは、発電できる設備を持ち、発電をして、その電力を電力会社に売電している事業者を指します。契約は、出力1000kW以上で10年以上もしくは10万kW以上で5年以上のいずれかの条件で取引することが求められます。

MMK-E、MML-Eの特長

MMK-E、MML-EはMMK、MMLの後継機種で輪切型高圧多段ディフューザポンプです。MMK、MMLは40年以上の歴史と14,000台以上の納入実績を持ち、ボイラ給水から復水、上水道、工業用水および消火、RO(逆浸透膜)装置、建設設備まで幅広い用途に対応しています。MMK-E、MML-Eは近年あらゆる分野で省エネニーズが高まるなか、最新の設計およびCFD(数値流体力学)解析技術を駆使して開発されました。水力部(インペラおよびガイドベーン)を改良し、そのポンプ効率はMMK、MMLと比べて5~10%アップしています。MMK-EとMML-Eどちらを選定するかは、使用する全揚程などの条件で決まります。目安としては全揚程が200mより低い場合はMMK-E、200m以上の場合はMML-Eです。

ボイラ給水ポンプの信頼性

今回、インタビューにお答えいただいたのは富士工場 生産部エネルギーグループ主任部員鍋田様と総務部長の山本様。ボイラ設備の見直しにあたっては、発電を維持するか、燃料はどうするか、経済性だけでなく環境負荷も併せてよくよく検討されたそうです。結果、発電はせずタービンをなくし蒸気の供給のみにしました。また、これまでの燃料であるC重油から都市ガスに変更することで、燃料そのものの環境負荷物質は低減され、目に見える煙も出なくなりました。

「船で沖に出たとき煙突の煙で風向きや風の強さを判断していたのに、煙が見えなくなって困るという笑い話もあるんですよ」

と地域住民の皆さんの喜ぶ様子が伝わってくるようでした。

新設のボイラ給水ポンプの選定にあたっては、長年トリシマ製ポンプを使ってきて、その信頼性を買っていただいたとのことです。

「工場は整備の1か月間を除き1日24時間、年間約8,000時間も動いている。ボイラ水を供給するポンプが止まるとプラントが止まってしまう。だからボイラ給水ポンプはとても大事」

「トリシマ製ポンプは性能がいい」「壊れない」

と鍋田さんと山本さんに口を揃えておっしゃっていただきました。ポンプや機器が滞りなく運転するために予防保全にも力を入れていて、定期的に整備をきちんとされているのもポンプの信頼性に一役買っていることは間違いありません。

新設の設備全般は鍋田様がポンプを含めた基本設計をされています。トリシマは計画段階からポンプに関する設計ノウハウなど技術面で協力できたことも、トリシマポンプを選んでいただいた要因だと思います。私たちはこれを「省エネ ソリューション」と銘打ち、高効率ポンプでお客様の課題解決・省エネに役立てる提案型営業を推進しています。

新型MMK-E、MML-Eのポンプで省エネできているかお伺いしたところ、

「旧設備と新設備では設備が大幅に異なるため一概に比較はできません。新設備は昨年7月に試運転、11月に営業運転が始まったばかりで、今は全体的に効率がよくなったかなどを見ている段階」

とのこと。それでも燃料を替えることと合わせ

「CO2排出量は20%も削減できた」

そうです。これからも高効率な省エネのポンプでお客様の課題解決に貢献できるようトリシマ社員一同、邁進していきます。

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