お客様の声 エコポンプニュース Vol.69仕様の見直しで、ポンプの悩みをまとめて解決!
40%以上の省エネも実現!
仕様の見直しダウンサイズ(インペラカット含む)鉄鋼⾼効率化

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※2017年8月現在の原稿です

1919年創業の老舗鉄鋼メーカー

 今回お邪魔したのは、1919年創業、98年の歴史を誇る老舗鉄鋼メーカー、株式会社 中山製鋼所。自社電炉と高炉で培った圧延技術に強みを持ち、つねにお客様のニーズに応えながら最新鋭の製品を生み出していらっしゃいます。
実際、2004年には、優れた技術に送られる「大河内記念技術賞」を受賞。世界でもここでしかつくれない独自の技術もお持ちです。

▲中山製鋼所外観

ポンプの運転では悩ましい問題が

そんな中山製鋼所で頭を悩まされていたのが、4台(常用3台、予備1台)で並列運転を行っていた冷却水ポンプの運転状況。基本的に製鋼所では、1,600度もの高温になる溶鋼を冷やすために数多くのポンプが使われていますが、電気炉が操業していない日中でも機械の冷却を行うためポンプは回っています。
そこで、必要流量が少ない日中は1台で運転し、必要流量が多い夜間には3台と必要流量に合わせて運転台数を制御していました。

また、3台のポンプは各々の吐出配管からヘッダー管へとつながれているのですが、3台すべてを運転しているときは、3台分の流量が配管へ送水され、配管内の摩擦抵抗が大きくなります。バルブ制御等を一切行わず、ポンプの運転台数を3台から1台へと変更すると、配管に送水される流量が減り配管内の摩擦抵抗は小さくなります。

ポンプの運転点は、①「ポンプの性能」と②「設備の配管抵抗」によって決まるため、配管抵抗が少ないと、ポンプの吐出し量は多くなります。
そのため、3台並列運転ですべてのポンプが同じ仕様だと仮定した場合、下記2つのケースを比較すると、

(A)3台運転時の1台あたりの吐出し量
(B)1台運転時の1台の吐出し量

バルブ制御等をせず運転台数を変更しただけの場合は、(A)<(B)となります。
既設は、1台運転時、ポンプの吐出し量が(A)よりも多くなることで過負荷運転になったため、許容できる範囲までバルブを絞り、流量を低下させて運転していました。このため、ポンプ効率がとても低い状態で運転していたのです。

徹底的な仕様の見直しで、 適正運転点を発見!

私たちトリシマは、ただ単にポンプを売るだけではなく、その運転状況を把握、分析し、お客様と一緒に最適な運転を考えていく「ポンプdeエコ」活動を続けているポンプメーカーです。 そこで今回も、ご担当者をはじめ関係者のみなさんと一緒に徹底的な仕様の見直しを行いました。
バルブを全開にしても過負荷運転の発生を抑え、設備に合った最適な運転ができるよう適切なポンプの吐出し量と全揚程を算出し、高効率な運転ができる設備の省エネ化を提案。モータ容量は160kWから90kWにサイズダウンでき、ポンプ取替え後の測定では、40%以上の消費電力量削減が確認できました。

より耐久性の高いエコポンプ を提案

トリシマがおすすめする「エコポンプ(トリシマ形式CAシリーズ)」は、最新鋭の技術で流体解析を行い、ポンプの中を水が流れる際の抵抗を最小限に抑制。またインペラは、羽根の角度やひねりを計算し、水の流れに沿うなめらかな曲線形状とし、ポンプ本体での効率を最大限にまで高めています。さらに、一つひとつの仕様点に合わせて、最適なインペラ径に加工する「インペラカット」で余分な消費電力を省きます。

▲トリシマのエコポンプCAMシリーズ

一般的に製鋼所で使われるポンプには、高い耐久性が求められます。そこで今回は、スリーブ(シャフトにはめる円筒型の部品)が装備されたタイプのエコポンプ(トリシマ形式CAM)を提案。これならば、スラリー(個体粒子が混ざりこんだ液体)の影響によるシャフトの劣化を防ぐことができ、劣化による交換部品を最小限に抑えることができます。

振動やパッキンの悩みも解消!

ポンプの性能とは直接関係は ないものの、実はほかにも気になっていた点がありました。一つは振動。吐出側配管の接続にフレキシブルチューブを使用していたことでヘッダー管の振動が発生していたのですが、今回の取り換え工事でこれを撤去。結果、ピタリと振動がおさまりました。

もう一つは、軸封部の問題です。既設ポンプは、グランドパッキン式のため、適切な締め込み調整を頻繁に実施しないといけませんでしたが、漏れ調節を行う際、締めすぎればそのままスリーブまたは軸に押し付けられて焼けてしまうケースがあり、調整に困っていたのです。
エコポンプは、メカニカルシール標準仕様としているので、これで軸封部の悩みも根本から解消。運転管理は格段に改善されました。

ポンプ運転のサポーターとし て、導入後もしっかりケア

「今回、ポンプの省エネができたことや振動がなくなったことももちろんうれしかったのですが、動力に対する考え方とか、ポンプの知識をいろいろ教えていただいたのが、本当に役立ちました」。

「ここぞとばかりに聞きまくって(笑)。やっぱり、ポンプのプロは違いますよね。深い知識をお持ちだし、分かりやすくご説明いただいて助かりました。トリシマさんは、単なる営業ではなく、そういった技術的な提案をしてくださったのがよかったです」。

▲導入ポンプ

今回お話をうかがったご担当の方々からそんなお言葉をいただきました。トリシマが独自で発行しているポンプの取り扱いのすべてをまとめた「ポンプ便覧」も、

「すごくいいです。市販の本よりもずっと内容が濃くて、いつも手元においています」。

トリシマは、ポンプのことならなんでも応えられるエキスパートとして、お客様の課題解決こそが仕事だと考えています。
これからもこの姿勢で、最大限のサポートをさせていただきます!

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