エコポンプニュース エコポンプニュース Vol.32エコポンプ製造のこだわり
省エネの実現と安心してエコポンプをご利用いただくために
省エネダウンサイズ(インペラカット含む)お知らせ

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※2012年11月時点の原稿です

エコポンプ製造工場

様々なお客様の「ポンプdeエコ」活動に貢献してきた高効率なエコポンプは佐賀県武雄市にある九州トリシマ(以下、九トリ)で製造しています。
九トリは大型ハイテクポンプにて培った技術を応用し、小型ハイテクポンプを製造する拠点として1992年に創業しました。ポンプによる省エネを実現し、お客様に安心してポンプを使用して頂くことにこだわった製造をしています。今回は九トリのこだわりについてご紹介します。

インペラカットへのこだわり

九トリにて製造しているエコポンプは省エネに徹底的にこだわって開発されたポンプです。そのため、大量生産される汎用ポンプでは行われていないインペラカットを行っています。 インペラカットとは、ポンプの省エネ手法の一つとして古くからある技法の一つです。インペラの外径(カット)加工を行うことであり、ポンプ性能を現状より下回った全揚程、流量へ変化させることが可能です。インバータによる性能調整とは異なり、ロスが少ないため仕様の変動がないポンプに対して行うと大きな省エネ効果を得ることができます。

エコポンプのインペラは、インペラカット後の効率低下を防ぐ工夫を施し、また吸込側が水の流れに適合した滑らかな曲面形状である3次元高効率インペラを採用しています。九トリではインペラカットを創業当時から全ポンプに対して行っているためインペラカットに対する多くの実績とノウハウがあります。インペラカットによるお客様の仕様に合わせた性能調整にも素早く対応し、「ポンプdeエコ」を実施されるお客様には、仕様に合致した無駄なエネルギーを放出しないエコポンプを提供いたします。

インペラカットの効果

ポンプ設備設計時やポンプ選定時は、大は小を兼ねるという安心感から、設備に対して過大能力のポンプが設置されてる場合があります。
「ポンプdeエコ」を実施するために現場に伺うと多くの場合、ポンプ吐出バルブを調整することにより無駄を少しでもなくす工夫をされています。その様な場合、当社はインペラカットによる省エネをご提案しています(右図)。

【① バルブ全開】
過大能力のポンプをそのまま使用すると流量と全揚程の無駄が多く、無駄なエネルギーを放出しています。

【② バルブ調整】
バルブ調整を実施することで、適切な流量に制御することができるため、無駄な流量分のエネルギーは削減できます。しかし、余分な圧力を削減することまではできません。

【③ インペラカット】
インペラカットを実施することで、流量と圧力の両方の無駄を一度に削減できるため、大きい省エネ効果を得ることができます。

ポンプの吐出バルブを閉めている場合等、設備に対して過大能力のポンプを選定している際、インペラカットを行うことで「ポンプde省エネ」を実施することが可能です。
その効果は大きく、モータ容量を2級小さくできた事例もあります。インペラカットはポンプ仕様を固定して運転している場合の省エネに有効な手段です。
時間や季節によりポンプ変動がある場合は、インバータやインバータ+インペラカット等、当社ではお客様の設備状況に応じた「ポンプdeエコ」のご提案を行っています。

品質へのこだわり

 「ポンプdeエコ」を行うために、ポンプとモータの性能にこだわり、全てのポンプを試験してから出荷しています。
九トリの試験場には大きく「ライン試験場」と「実機試験場」の2つがあります。「ライン試験場」では、試験用モータを用いて、ポンプ性能を測定しています。
「実機試験場」では、実際にお客様へ納入するモータを用いてポンプ性能を試験するため、モータのデータ(振動、騒音、軸受温度)も測定することができます。

また、納入用モータを用いた試験を行うため消費電力を測定することが可能であり、実際に現地でポンプを運転した際とほぼ同様のデータが出力されます。
お客様が「ポンプdeエコ」の省エネ効果を検証されたい場合、納入させて頂くポンプは「実機試験場」にて試験を行い、提案通りの省エネ効果が現場で再現できるかを確認しています。
試験場では、性能確認だけではなくメカニカルシールからの漏れがないか、異音がないか等の品質確認も行っています。
「ポンプdeエコ」活動を推奨している当社としては、無駄なエネルギーを放出しないエコポンプを安全に安心してご利用頂くことを重要視し、小さなポンプから大きなポンプまで全てのポンプを必ず試験してからお客様のもとへお届けします。

九トリ研修

当社では、ポンプを販売するだけではなく、納入後のお客様サポートとして講習会を行っています。
九トリでは、2泊3日のポンプ研修を実施しており、ポンプの「基礎知識」や「故障の原因と対策」等の座学と「実機ポンプを用いた分解・芯だし」実習を行っています。 すべてのお客様が実機ポンプに触れて実習が行えるように複数台のポンプを準備し、少人数にて実施しています。
2012年11月に九トリ研修を受講されたキリンビール株式会社の肥沼様から

ポンプに関するこのような研修は九トリ研修のみです。小型ポンプを取り扱う事が多く、九トリでは小型ポンプの講習カリキュラムが充実していて良いと、受講を薦められました。実際にとてもわかりやすいです」

とご評価を頂きました。
講習会の会場には、キャビテーションを起こしたインペラの展示や休憩時間等に芯だしの練習ができるポンプを設置しており、充実した資料と展示物にご参加頂いた方にご評価を頂いています。

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