エコポンプニュース Vol.59(2015年12月発行)

ポンプの取扱注意事項
適切な取扱いで「ポンプdeエコ」を実施しましょう

「ポンプdeエコ」を実施するためには、絶対条件として“適切な運転管理が行われていること”があげられます。せっかくお客様のポンプ設備にマッチした最適なポンプを据付けても、適切な運転管理が行われなければ、効率的な省エネ・コストダウンにはつながりません。そればかりか、ポンプの寿命を縮めてしまい余計な費用が発生することにもなってしまいます。
そこで今回は、当社が省エネ提案活動を行ってきた中で、度々見かける「ポンプの間違った使われ方とその対策」について当社サービス管理部の前田が解説いたします。

配管接続と芯出し ― ポンプの運転前に確認を!

■ 芯のずれた配管との無理な接続

新設の某プラントにおいて、芯出しが全くできない・・・、電動機とポンプの面間も規定値内に全く入らない・・・との連絡がありました。そこで現地調査をしたところ、吸込側の配管フランジとポンプのフランジ面が約10mm、吐出配管フランジも大きくずれていることが分かりました。このような状態で無理に直結しポンプを運転すると、大きな振動が発生し、最悪の場合はケーシングが割れるなどの事故につながります。ポンプの配管接続ではポンプに配管荷重が掛からないように施工していただく必要があります。この現場では、お客様から連絡いただけたことから配管の再施工により良好な状態で運転ができるようになりましたが、ポンプ据付時の配管施工においては、ポンプに配管荷重が掛からないように、フレキシブルジョイント(伸縮継手)などを使用していただくと、この様なトラブルは少なくなります。





■ 芯出し確認なしでの運転

芯出し不良による運転は軸封部からの漏れや軸受の早期損傷につながります。特に軸封部がメカニカルシール式のポンプは芯出し不良によって振動が発生し、メカ漏れの可能性が非常に高くなります。初期運転でのメカ漏れのほとんどは、この要因によるものです。多くの現場で芯出し不良、芯出し未施工で運転されているポンプを見かけますが、その都度、芯出しの重要性を説明しています。ポンプの芯出しについてはポンプメーカーがもっと強くアピールすることが必要だと思っています。






運転管理 ― 運転中は適切な管理を!

■ 潤滑油不足での運転

ポンプのトラブルで大きな事故につながってしまうのが、潤滑油の管理不足です。このトラブルは非常によく見かけるケースで、軸受の損傷、最悪の場合はインペラや軸受ケースまで損傷する事故につながります。 皆さんが乗られている車も、エンジンオイルは走行距離や年数で定期的に点検し、交換をしたりしますよね。ポンプも一緒で潤滑油の管理をしっかりすることが、ポンプ延命の礎と言っても過言ではありません。





■ グランド漏れ量の調整不良 (漏れ量過多、漏れ量ゼロ)

グランドからの漏れ量が多い場合、漏れた液体が軸受ケースに入りベアリング焼損のトラブルにつながります。また、極端に漏れ量を制限するとグランドパッキンが発熱し、焼付きや異常摩耗につながります。従ってグランドからの漏れ量は、飛散しない程度(滴下状態)に調整しておく必要があります。ただ、ノンアスべストのグランドパッキンになってからグランドの漏れ量調整が難しくなっており、お客様の方で調整ができないケースが増えています。これに伴い、最近はメカニカルシール式のポンプの採用が増えています。






■ 停止状態での長期間放置

ポンプを長期間(1ヶ月以上)運転しない場合は、必ず短時間の慣らし運転を定期的に実施する必要があります。これを怠ると、錆などで回転体が固着(ポンプロック)してしまい、次に運転する際にポンプが全く動かないという事態になってしまいます。また、長期間運転しないポンプではケーシング内の揚液を入れたままにしておく必要があります。揚液を抜いてしまうと、空気に触れることから錆の発生が非常に早く進行し、短期間でポンプロックしてしまいます。ポンプロックの事例は数多くありますが、その都度ポンプを全分解して内部を清掃することになり、大きな費用がかかりますので適切な管理をお願いします。







■ ポンプの空運転・締切運転

ポンプの空運転(液体を入れない状態での運転)をするケースは非常に少ないと思いますが、バルブの開き忘れや、吸い上げのポンプで呼び水を入れずに運転したケースを、時折見かけます。また、吸い上げのポンプでフートバルブが故障して知らないうちに空運転になっていた、というケースもありました。空運転はポンプ内部の焼き付きの要因になりますので十分な注意が必要です。

また、吐出バルブの開け忘れなどにより長時間、締切状態で運転をしてしまうケースがありますが、これも同様にポンプ内部の温度が上昇し、焼付き事故、さらにはモータ焼損に至ることもありますので注意が必要です。通常、小型の渦巻ポンプの場合、締切運転は1分以内とし、起動後すぐに吐出弁を開くことを心掛けてください。


▲サービス管理部長 前田

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