エコポンプニュース エコポンプニュース Vol.19メカニカルシール採用により一石三鳥の省エネ省エネメカニカルシール

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※2011年11月時点の原稿です

生産方式を活かした対応

電子部品を製造されているS社にてインタビューを行った。
S社では、「見える化・わかる化」を実施し運用の最適化、インバータの導入、使用するエネルギーを灯油からLNGに変更する等、省エネに対して積極的な企業である。

今回は、エコポンプによる省エネ効果はもちろん、当社の生産方式の特長を活かした対応についての事例紹介である。

トリシマのイメージ

初めの当社のイメージは

「トリシマは官需が主力で価格が高いというイメージがあった。民需への営業、対応ができるか心配だった」

とのこと。エコポンプ採用後にトリシマポンプの信頼性について伺ったところ

「トリシマは官需を相手に仕事をしているので心配はしていない、信用している。大きな会社だが小回りが利いている」

とご評価頂けた。他のお客様でも当社の第一印象を伺うと、当社が昔から対応をしている官需向けの大型ポンプ等のイメージが強いとの回答が多い。

当社は官需向けのポンプも得意としているが、小型から大型まで高品質・高効率のハイテクポンプが特長であり、海水淡水化ポンプでは世界トップである。
生産方式はイージーオーダー制を採用しており、お客様の仕様や運転状況に合わせたポンプを製造している。また、当社はポンプの総合メーカとして、メカニカルシールの重要性に着目し、国内でもいち早く、組織的研究、開発から製造・商品化に取り組んだ。現在では、極めて高い品質と安全性が要求されるメカニカルシールに幅広く対応している。

メカニカルシールの省エネ事例

エコポンプはメカニカルシールを標準装備としている。メカニカルシールは、グランドパッキンに比べて

①コストとCO2を削減可能
②メンテナンスフリー(グランドパッキンは定期的に漏れ量を調整する増締が必要)
③軸封部からの漏水がないため、廃液処理の必要がない

等の多くのメリットがある。
メカニカルシールとグランドバッキンでは構造上の違いから消費動力に差がある。また、グランドパッキンは水分を含んだ状態にて稼働を行わなくてはいけないため、上図の事例であれば、1分間に15ccもの水を無駄にしている。 また、軸封からの水により床が濡れてしまい、液質によっては漏れている水のための水処理設備が必要になる場合がある。
S社では、メカニカルシールタイプのエコポンプを採用頂いた。

エコポンプ紹介

コポンプは、高効率・高性能に加え、多様な液質や用途に対応する小型ハイテクポンプである。
また、エコポンプはメカニカルシールを標準装備し、モータには超高効率モータを標準としている。エコポンプの紹介を受けた時は、

「省エネできるポンプとウルトラ高効率のモータの組み合わせが印象的でした」

エコポンプ採用の決め手

新しいモノが好きなご担当者様、そんなご担当者様の感性にひっかかたのがエコポンプであった。採用の決め手を伺ったところ

「エコポンプへの取替えは省エネのメリットがあると思いました。省エネのメリットがなければ交換しませんでした。

また、工場立ち上げより18年ほど経過した時期にエコポンプを紹介され、メンテ部品が多くなってきた時でしたので、イニシャルコストが合えば導入できるかと思い話しをした所、価格の対応もいただきすんなり導入できました」

とのこと。S社での初めてのエコポンプ(冷水ポンプ)の御注文が決定した。

エコポンプ据付および運転開始

エコポンプでの据付工事では、

「他メーカーのポンプからの入れ替えになるので、配管の改造が必要になりますが、ベースをオリジナルで作成していただき吐出側の改造のみで済んだので、工事費が安くつきました」

当社では、イージーオーダー制にて製造しているため、お客様のポンプ据付環境に合わせ、強度等の運転に支障のない範囲であればポンプベースの寸法調整が可能である。
ポンプの据付が終わり、このまま順調に進むかと思っていたところ、トラブルが発生した。直ぐに原因を調査し、 S社での製造に影響が出ないよう数回に分け対策を行わせて頂いた。

「冷水ポンプの導入時トラブルがありましたが、改造を繰り返し対応してくれたことには感謝しております」

と「感謝」というお言葉を頂くことができ、とことんお客様と向き合う当社の姿勢がご評価頂けた。

エコポンプによる省エネ効果

今回は、既設ポンプの仕様は変更せず効率の良いポンプとモータによる省エネのご提案を行った。
結果、1台のポンプにて年間使用電力量14.3%削減、年間コスト約90万円削減、年間CO2約26t削減の効果があった。(下図) S社で初めてのエコポンプによる省エネにご評価頂き、この後も7台の御注文を頂いた。今後は、

「同期モータなどの導入も進めていただき、更なる省エネポンプを構築しイニシャルコストも下げていただきたい」

とのこと。当社では現在、更なる省エネポンプの構築のために使用条件に合うポンプとモータのマッチングを検討している。
メカニカルシールを標準装備した高効率のポンプと超高効率のモータで賢く省エネしてみませんか?

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