お客様の声 エコポンプニュース Vol.81水中ポンプ置き換えで51.3%の省エネを実現!メンテナンスも楽に!
~住友電気工業株式会社 大阪製作所での事例~
老朽化ポンプの見直し省エネダウンサイズ(インペラカット含む)メンテナンス(REDU含む)機械‧電気

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※2019年9月現在の原稿です

電線、ケーブルの製造技術をベースとした様々な事業を通じ、120年以上の歴史を築いてきた住友電気工業株式会社。世界40か国以上に約390社のグループ会社を展開されているグローバル企業です。現在、その事業領域は5つにまたがり、数多くの製品やサービスを提供されています。例えば、自動車内部に張り巡らされるワイヤーハーネス。まるで人間の神経のように、自動車内部のすみずみへと、電源や情報を伝送する役割を持っています。その他にも、現代の情報社会に欠かせない光ファイバや、山や海を越え電気を届ける電力ケーブルといった製品のシェア率は、世界トップクラスを誇っています。

今回は国内4つの生産拠点の1つ、大阪製作所におじゃましました。こちらは電線、エネルギー関連製品やシステム製品の製造、研究開発部門の拠点となっており、トリシマは約40年にわたりお付き合いいただいております。

▲住友電気工業株式会社 大阪製作所

はじめに多段ポンプを置き換え

今回は、住友電工テクニカルソリューションズ株式会社 プラント事業部大阪プラント部 宮城秀一技術主任にお話を伺いました。敷地内の工場へ、エアーや蒸気、ガスを送り出すエネルギーセンターにおいて、保全や設備メンテナンスを担当されています。

「こちらがトリシマさんのポンプです」

センター内に並ぶ8台のエコポンプのもとへ案内いただきました。

▲宮城技術主任

このうち、初めに省エネ提案を行ったのは、元々据え付けられていた5台の古い多段ポンプ。空気圧縮機(コンプレッサー)を運転する際に温度が上昇したオイルと、圧縮直後の100℃にもなる高温の空気を冷却するために、管路内に水を循環させる重要な役割を担っています。

多段ポンプのメンテナンスの手間に苦戦されていたところに、トリシマの営業担当から省エネ提案を持ち掛けられました。営業担当による現地調査と測定の結果、この多段ポンプはかなり余裕を持った仕様になっていることが判明。これらをエコポンプに置き換えると、どれほどの省エネ効果が期待できるのか、省エネ提案書を作成し予測しました。

「正直始めは半信半疑だったんです。吐出し量や電流値を測定するだけで、配管図面も見ずに省エネ提案なんて、本当にそんなことができるの?って。ところが、実際にエコポンプに置き換えてみると、提案書通りの省エネ効果が出ていて、すごいなと思いました」。

と笑顔で語る宮城技術主任。計5台の多段ポンプを置き替えたことにより、消費電力を28.6%削減できました。  

インペラカットで無駄を削減!

どうして省エネができるのか。トリシマのエコポンプは、吐出し量と全揚程が仕様に合うように、インペラの外径を加工するセミオーダー方式で生産しています。

これにより、吐出し量と全揚程を最適化。設備に最適なエコポンプは余分な消費電力をカットでき、省エネを実現します。

省エネの秘訣はそれだけではありません。最新鋭の流体解析を用い、流動性を向上させたケーシング設計で、ポンプそのものを高効率化。水の流れに最適化するよう、ひねりを加えた3次元インペラも特徴です。トリシマが長年培ってきた大型高圧ポンプの製造技術を応用し、小型でありながら、ハイテクポンプさながらの構造になっています。

水中ポンプも置き換え51.3%の削減に成功

空気圧縮機用5台の省エネ効果を確認後、同じラインにあった3台の水中ポンプでも省エネができないか、陸上ポンプに代替できないかと依頼をいただきました。空気圧縮機用に利用された冷却水を再利用するために、屋上にあるクーリングタワーへ水を送るこちらの水中ポンプにも、悩みの種をお持ちだったのです。

「水中ポンプは整備に時間がかかります。また、水に油が混じってしまうと環境にも良くない。トリシマさんのエコポンプなら、前回の実績もあって安心だし、水中ポンプの省エネ診断もお願いしました」。

今回も営業担当による診断を実施し、陸上ポンプでも問題のない吸上げの高さであること、置き換えにより省エネできることが期待されました。

この水中ポンプも先ほどの多段ポンプも、据付けられたのは20年近く前でした。このような昔の設備では、水が出れば良いという考えのもと、余裕を取りすぎたポンプを選定している場合が多く、大きな省エネ効果が期待できます。 水中ポンプ3台のうち、まずは1台をトライアルで入れ替えた結果、消費電力削減率は51.6%と、今回も提案書通りの省エネ効果を得ることができました。

「1台で効果が確認できたので、2台目、3台目と順に展開しました」。

メンテナンス時間を削減 安全性も向上!

「水中ポンプを整備する際は、一年に一度、重機やクレーンを使ってポンプを引き上げていました。4人がかりで長いと4日間ほどかかっていたんですが、エコポンプは人員も期間も半分に短縮して実施できます」。

と電力のほかに、メンテナンス時間も削減できました。  

また、水中ポンプは錆びが進みやすいため、整備のたびに更新することが多かったそうですが、エコポンプは部品交換で済むため、コストの削減にもつながりました。

「水中ポンプには水中ポンプの良さもありますが、トータルで考えるとやっぱりエコポンプですね」。

先に述べた通り、エコポンプは一台一台をインペラカットする、セミオーダー方式で生産していますが、部品はできる限り共有化しているため、交換部品の提供もスムーズに行うことが可能です。

「軸部を覆っているカバーもよかったです。回転部に手が入る心配がありません」。

と安全性が向上したことも喜んでいただけました。ポンプとモータの直結部分は、筒型のカバーによって360度保護されているため、物や手が巻き込まれる心配がありません。メンテナンスの際は、容易にカバーを取り外すことができます。

インタビューの最後には、宮城技術主任より新たなご要望をいただきました。営業を始めトリシマ社員一丸となり、これからもお客様のご要望にお応えしていきます。省エネ診断のご相談やお問合わせなど、ぜひお気軽にお申し付けください。

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