お客様の声 エコポンプニュース Vol.72エコポンプに交換して、 年間108万円の電力費削減、1年で投資回収!
~味の素冷凍食品株式会社 九州工場での省エネ事例~
仕様の見直しダウンサイズ(インペラカット含む)⾼効率化⾷品・飲料

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※2018年2月現在の原稿です

定番人気のギョーザから、驚きの新商品“おにぎり丸”まで!

みんな大好きなギョーザやシューマイ、唐揚げ、チャーハンなど、晩ごはんのもう一品に、子どものお弁当に、時短メニューに。誰もが一度はお世話になったことのある冷凍食品。今回ご紹介するのは、そんな冷凍食品のトップブランド、味の素冷凍食品株式会社です。

冷凍食品の売り上げランキングでは、つねに味の素の「ギョーザ」がトップに君臨し、最近では定番を超えて、子どもたちの人気メニューをおにぎりの具にした「おにぎり丸」という新商品も登場。「おにぎりの具のレパートリーがもう思い付かない!」というお母さんたちのお悩みに応えて独自の冷凍技術で開発したもので、なんと、カレーや麻婆豆腐など、とろっとした食感のおかずもおにぎりの具にしてしまったというのだから驚きです。まさに、ジャパニーズイノベーション!

▲味の素冷凍食品株式会社 九州工場

目標は、年平均1%の電力削減

つねにお客様のニーズに対応しながら、ヒット商品を生み出し続けるそんな味の素冷凍食品にて、その製造ラインを裏でしっかり支えているのが、今回お話をうかがった製造部 製造技術グループの中島義明様。以前は、生産技術開発部で生産・包装設備や包材、検査装置などを開発していたこともあって、メカニカル面にはかなり詳しく、5年ほど前にここ九州工場に来られてからは、おもに省エネ担当ということで、生産設備の見直しを率先して行っていらっしゃいます。

「うちは第一種エネルギー管理指定工場だから。中長期的(5年間)に年平均1%以上、エネルギー消費原単位の低減をしないといけないんですよね。そこでどうやったらできるのか、製造技術グループのメンバーと省エネ部会を開いたり、専門誌を読んだりして検討してました」。

流量は変えずに全揚程だけ落 としたい

ここは冷凍食品工場なので、全体の消費電力量のうち、実に7割が「冷やす」ための電力費とのこと。そこで着手したのが、大型冷凍機への循環水ポンプです。まずは、吐出し量3.25㎥/m、全揚程20m、モータ容量15kW、365日稼働の2台を見直しました。

「冷凍機は地上に置いてるし、配管もせいぜい数メートル上くらい。なんでこんなに揚程が必要なんだ?」

とオーバースペックに気づきました。ここでよくあるのがインバータによる制御で、たしかに状況によってはそれで解決することもあります。ただ、

「インバータだと回転数に比例して流量まで変わってしまう。今回は、流量はそのままで全揚程だけ下げたかったんです。そんなとき、たまたま読んでいた省エネの専門誌で、トリシマのエコポンプのことを知って、これだ、と思いました」

▲中島義明様

インペラカットと高効率設計 で抜本的に省エネ!

そう、トリシマのエコポンプは、お客様の仕様に合わせてインペラの外径をジャストサイズに加工(インペラカット)することで、無駄なエネルギーを省く抜本的な省エネ法。インバータの場合、インバータを動かすことで発生するエネルギーロスもありますし、ポンプ効率そのものが上がるわけではありません。

また、トリシマのエコポンプは、発電所や海水淡水化プラント向けの大型高圧ポンプの製造で培った高度な技術を活かして開発した小型ハイテクポンプ。最新鋭の流体解析でポンプの中を水が流れる際の抵抗を最小限に抑制したり、インペラの羽根の角度やひねりを水の流れに沿うよう設計したり、あらゆる省エネ手法が詰まっています。

モータをサイズダウンして 1年で投資回収!

今回は、中島様の省エネ知識も深く、きっちり計画されていたので、非常にスムーズなご提案となりました。「流量はそのままで、全揚程だけ下げる」というポイントはおさえ、全揚程を20mから15mにダウン。モータ容量を15kWから11kWに下げ、ポンプ効率は74%から83.9%に上がりました。

今回のポンプは、夏2台、冬1台での運転で、平均して1.5台。電力料金を15円/kW(味の素冷凍食品株式会社での既定値)で計算すると、年間消費電力量は35.3%削減、年間コスト削減額は108.4万円、投資回収は1年という結果となりました。

「食品産業もったいない大賞」 を受賞!

中島様の省エネ計画は、ポンプ だけではありません。工場で最大の省エネ設備となる混焼ボイラをはじめ、ヒートポンプによるボイラ給水加温、ボイラ連続ブロー水の熱回収など、合計8点の省エネを決行。その成果が認められ、平成28年度の「第4回食品産業もったいない大賞」(一般社団法人日有機資源協会主催、農林水産省協賛)では、審査委員会委員長賞を受賞されました。

省エネのコツは、「結果を想像して楽しくやること」とおっしゃる中島様。これから、ここ九州工場の他のポンプはもちろん、他工場のポンプも改めて見直すなど、横展開での取り組みでもトリシマが貢献できればうれしく思います。

▲導入エコポンプ

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