※2013年4月現在の原稿です
ポンプの高効率化でさらなる省エネ
今回は大日本住友製薬株式会社 総合研究所 工務グループ安養様 (エネルギー管理士) にお話しを伺いました。 大日本住友製薬株式会社では、省エネに積極的に取り組まれており、「2012年度までに全社CO2排出量を基準年度(2006年度)のレベルにまで削減する」という社内目標を1年前倒しで達成されました。
今回インタビューさせていただいた総合研究所においても
「ガスエンジンコジェネシステムの更新や、空調機器にも高効率機種を採用し、今は太陽光発電の設置工事を行っています」
とCO2排出量の少ない新しいエネルギー技術を導入されています。
省エネ事例
「ちょうど震災の影響で電力のピークカットを迫られ、さらなる省エネのネタを探していました。エコポンプの省エネ効果はとてもわかりやすく、インペラカットやウルトラ高効率モータの採用はさらなる省エネが期待できます」
と弊社のエコポンプをご検討いただくことになりました。
対象となったポンプは、更新・修理予定のあった空調用ポンプ10台でした。その内、8台はインバータ導入による省エネ化、2台はバルブ制御による省エネ化を実施していました。既設ポンプの運転点を現地測定によって把握し、高効率のエコポンプとTUモータに更新(今回5台は既設標準モータを流用)しました。
取り替え後には現地測定および既設ポンプの持ち帰り試験を実施しました。 その結果、10台のうち8台がインバータによる省エネ化を図っていたにもかかわらず、合計で消費電力を21%削減でき、年間コストは170万円の削減となりました。
「1台あたり10%削減できれば良いと思っていましたが、それ以上の効果が出ました。こんなにメリットがあるならば随時取り替えたいです」
との高い評価をいただきました。
インバータ導入ポンプの省エネ化
今回対象となったポンプの多くは、すでにインバータが導入(固定速運転)されていました。固定速運転の場合は、インバータロスを抑えるためにも、1「仕様の見直し+インバータ撤去」の検討が有効です。今回は
「インバータを既に導入しているポンプは負荷変動があるため、可変速運転を検討しています」
とのことでしたので、インバータを活用した提案を行いました。
インバータで回転数を下げた場合、吐出し量と全揚程は小さくなり、省エネを図ることができます。しかし、ポンプ効率が上がるわけではありません(右図)。そこで、より実際の運転範囲で効率のよいポンプを選定することで、さらに省エネ効果を上げることができました。

バルブ制御(インバータなし)のポンプの省エネ化
バルブ制御だけのポンプ2台に関しては、必要なポンプ仕様を現地調査に基づいて見直しました。
一般的に、ポンプは余裕を持った仕様で設計されています。しかも汎用ポンプはインペラカット※1をしないため、仕様点よりもさらに 大きめのポンプが選定されます。
それにより軸動力も大きくなります。 トリシマのエコポンプは、「本当に必要な仕様」に合わせてインペラカットを行います。その結果、モータが30kW→15kWに下がり、
「仕様の見直しを行い、本当に必要な仕様点にぴったりのポンプになりました。かなり省エネできるのではと期待 していました」
と仰っていただけました。
実証にて効果確認
「効率がよければ省エネになるというのはわかります。ただ、導入前の不安点は、実際に提案書通りの省エネ効果が出るのかというところでした」
との率直な意見もいただきました。
弊社では、工場からポンプを出荷する前に、すべてのポンプの性能試験を必ず行っています。その際に仕様や効率を満たしているか、何か異常はないかを確認しています。
また今回は、初めてご採用いただいたポンプということ、また今後も継続して更新をご検討いただけるとのことで、既設ポンプを弊社工場に持ち帰り、性能試験を実施しました。既設のポンプ性能を正確に把握することができ、省エネ効果も、よりたしかな数値で現すことができました。

その後のポンプde省エネ
初回で10台を更新いただいた後、新たに追加で9台のポンプもエコポンプへ更新いただきました。
「今回研究所にある大きいポンプはほとんどエコポンプに更新しました。また更新があれば導入したいです。社内の情報交換会にてエコポンプの省エネ効果を紹介し、他の工場や研究所にも広めていきたいです」
と仰っていただけました。 インバータが導入されていても、もう一歩踏み込んだ省エネができる可能性があります。
トリシマはお客様のポンプ設備のご使用状況やニーズに合わせた提供をすることができます。
省エネ効果
