※2012年2月時点での原稿です
「持ち帰り試験」による仕様点の把握
今回は、某繊維会社K社のご担当者様にインタビューを行った
K社では、ナイロンやポリエステルなどの合繊長繊維糸の仮撚加工で、40年以上の実績がある。糸の加工と一言で言っても、その方法は様々。ストレッチ性を付与したり、複合仮撚することで機能性と風合いを持たせたりと多彩な加工が可能、まさに無限の可能性が秘められている。
K社では、資材用からインナーウェア、シャツ、婦人アウターウェア、アウトドアウェアに至るまで、ありとあらゆる用途の糸を生産しており、品質、開発力には定評がある。また、省エネ活動にも積極的に取り組まれている。 理由をお伺いすると、

「第一に経費削減があり、常に創意工夫を念頭に設備の管理を行っています。特に、設備の更新時は関係設備全体の改善に心がけています」
とのこと。
「持ち帰り試験」の実施
当社では、現在稼働しているポンプの仕様点が不明な場合や仕様の最適化を行う場合等、無料にてポンプ測定を行っている。
また、流量計の取付位置がない等、現場でのポンプ測定が困難な場合は、「ポンプの持ち帰り試験」というオプションメニューを設定している。
「ポンプの持ち帰り試験」とは、現地にて電流値や圧力値等の測定可能な項目を測定後、ポンプを当社に持ち帰り、ポンプ専用の試験機を用いてポンプの性能試験を行うもので、ポンプ性能を正確に測定することが可能である。 K社でも「持ち帰り試験」を行わせて頂いた。当社のこのような取組については、
「今後のポンプの更新に繋がり、他の機器更新についても参考になります」
とご意見を頂けた。
インバータ導入ポンプの省エネ化
ポンプの省エネ対策はインバータを設置したところで終わっている場合が多い。今回K社にて省エネ化の検討を行ったポンプは、インバータにて既に省エネ化が図られており、設置後20年が経過したポンプであった。
現地にて電流値、電力値、圧力値のデータを測定し、インバータが55Hzにて運転していることを確認した。その後、既設ポンプの「持ち帰り試験」を行い仕様点の決定を行った。
「持ち帰り試験」のデータ検証を行った結果、既設ポンプは購入当時に比べ、最高効率点値が11.8ポイント低下していた。また、現地での運転点(インバータの制御値が55Hz時)は吐出量2.1m3/min、全揚程15mにて運転していたことがわかった。
運転点がわかったところで、当社のエコポンプと既設ポンプを55Hzにて運転し、同仕様の点での比較検討を行った。結果、効率差が約20%、消費電力差が2.8kW、入力電力が28.3%ダウンする省エネ効果となり、エコポンプとTUモータの効率が高いことで、省エネに大きく貢献できた。エコポンプによる省エネ効果については、
「大きい。電流値のメータで確認したところ、思った以上の効果がありました」
とご評価頂けた。

デモでも省エネ実感
2011年11月11日には、当社工場にて実施しているエコポンプのデモンストレーション見学会へ同グループ会社様とご一緒にご参加頂いた。現在、デモンストレーションでは、
①エコポンプと汎用ポンプの比較
②インペラカットとバルブ制御による 省エネ比較
③インペラカットとインバータ制御によ る省エネ比較
④実機を触れることによる体感比較
等を行っている。また、お客様のご要望にはできる限り対応させて頂いており、ポンプ分解方法やメカニカルシールの講習等もスケジュールに組み合わせての対応を行っている。参加後のご感想をお伺いしたところ、
「デ モ機で省エネポンプが理解できた」
「(デモ機周辺の現場音が大きく、自分の耳では)音の大きさははっきり分からなかったがマイクを通しての音の違いがはっきり分かった。数字にきちんと表れているので分かり易く、質問も丁寧に答えて頂いた。手で触ることもできて良かった」
「今まで省エネはインバータが一番だと思っていたが、インペラカットとIE3のモータでこれほど省エネが出来るとは思わなかった。IE3のモータを初めて見学したが、騒音・振動もなく、見ることができ勉強になった」
との感想を頂いた。
インバータを設置したポンプには、まだ省エネできる可能性があります。今一度、エコポンプで更なる省エネを検討してみませんか?