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酉島製作所 採用特設サイト トリシマポンプ
プロジェクトマネジメント、入社3年目のデビュー戦
ディン トゥ トゥイ
大学 教育学部卒業/2014年入社
海外本部TGTプロジェクトマネジメント部
TGTプロジェクトマネジメント1課

*職務および原稿は、2020年2月現在のものです。

PMの対応が、トリシマの「評価」を決める

仕事の評価は何で決まるかといえば会社や職種によっても違ってくるだろうが、「あなたともう一度仕事がしたい」と言われるのは、どんな仕事であってもある意味、一番の高評価といえるだろう。

「次の仕事もトゥイさんにお願いしたい」。

実際、シンガポールの顧客からそう言われたのは、海外本部プロジェクトマネジメント部のトゥイだ。ミャンマーの発電所向けプロジェクトで、しかも当時まだ入社3年目、初めての主担当だった。

略してPMと呼ばれるプロジェクトマネジメントは、営業部員がポンプを受注したあと納品・据付まで、お客様の「窓口」となって対応にあたる。スペックや図面の確認をはじめ、納期や船積みの調整、性能試験のアレンジ、納入後のクレーム対応まで仕事の範囲は広く膨大だ。注文を取ってくる営業に比べ目立たないが、トリシマのような受注生産の大型ポンプでは受注から納品・据付までが年単位に及ぶため、顧客との付き合いは一番長くなる。きめ細かな対応力はもちろん、顧客と自社の橋渡し役として高いコミュニケーション能力が求められる。なにより、お客様はPMを通してトリシマの評価を決めるのだ。どんなに大きな注文を取ったとしても、その後の仕事がずさんであれば、次はない。非常に重要な仕事である。

トリシマの海外本部では、多くの女性が活躍

もちろん入社早々できる仕事ではない。最初の一年はチューターにつき、英文メールの書き方一つからみっちり学ぶ。トゥイのチューターは、当時PMでグループリーダーをつとめていた金ケ江。女性初の海外駐在員として香港での駐在経験があり、PMをはじめ経験豊富。丁寧で確実な仕事ぶりと穏やかで聞き上手な性格で顧客からの信頼も社内での人望も厚く、現在は課長として活躍している。

「問題があったら一人で抱え込まないで何でも話してね、ってとても優しく指導してくれました」。

BtoBのメーカーでは、女性や文系は活躍しにくいイメージがあるかもしれないが、トリシマの海外本部には多くの女性が活躍している。しかも金ケ江とトゥイを含みその多くが文系出身だ。

ポンプの技術的な面はもちろん分かっているに超したことはないが、PMではそれよりむしろ、全体を管理しながら細部にも目を配る緻密さ、トラブルの芽を事前に見つけ大きくなる前に対処する問題発見能力や慎重さ、そして何より顧客と自社関連部門とのあいだに入り、仕事をスムーズに運ぶためのコミュニケーション能力が強く求められる。

たとえばPMの重要な仕事の一つに、ポンプ図面の確認がある。設計からあがってくる図面をお客様に提出し、それに対する質問やリクエストを受け取る。それらを持って設計部門へ足を運ぶ。が、設計は忙しいことが多く、優しく教えてくれることもあれば、軽くあしらわれることもある。お客様と設計との“板挟み”になることも多く、いかにコミュニケーション能力を発揮して、お客様の要求に応え、設計者にも気持ちよく動いてもらうかがPMの難しいところでもあり、やりがいでもある。

「私が行くとうまく伝えられず、叱られて帰ってくることもありました。すると金ケ江さんが、もう一度一緒に行ってくれるんです。金ケ江さんが説明すると設計の人も納得してくれて、お客様へのきちんとした回答を得られるんです。本当にすごいです」。

お客様のためを思うからこそ、ノーという勇気も

冒頭にあげたトゥイの初めての主担当は、入社3年目。シンガポールの顧客から受けたミャンマーの発電所向けプロジェクトで、ポンプは3機種で合計17台、納期は約一年半。受注総額は億単位にのぼる。ただ、ポンプの機種としてはさほど複雑なものはなく、先輩社員のアシスタントとして順調に経験を積んできたトゥイならそろそろできるかもしれない。控えめながらも仕事は確かで、言われたことはきっちりとこなす。上司は思い切って彼女を主担当に指名した。

「自分はまだアシスタントだと思っていたのでビックリしました。ポンプの台数も多かったし、私にとっては受注額もすごく大きく、うまくいかなかったらどうしようってすごく不安でした」。

とにかく一つひとつの仕事を丁寧に行うことを心がけた。契約内容をしっかり理解し、仕様に間違いがないか、進捗に遅れがないか、何度も細かくチェックする。顧客から要求されたわけではないが、金ケ江を見習って自分なりにまとめたマンスリーレポートも毎月お客様に送った。設計とのやりとりも、苦戦しながらもなんとか一人でできることが増えた。

「顧客ファースト」はトリシマのモットーだが、それは要求されたことをなんでも聞けばいいという意味ではない、ということも学んだ。ポンプの起動ロジックについて、顧客から変更の要望があったとき設計は難色を示したのだ。

「お客様のためにもそれはよくない、ということでした。希望通りにすると、ポンプを傷めてしまい、早期の故障につながる、と。お客様は必ずしもポンプの専門家ではありません。だから設計の話を分かりやすくまとめて伝え、別のソリューションを提案しました」。

顧客はそれならと納得してくれ、ポンプのプロとしてお客様を思うからこそノーという勇気も学んだ。顧客立会いのもと行われる性能試験では、一年近くメールだけでやりとりしてきた担当者と初めて顔を見て言葉を交わした。

「とても優しい女性の方でいろんな話をしてくれて、これが一番嬉しかった。彼女ももともと文系だそうですが、技術的なこともすごく詳しくて。私も見習わなきゃって思いました」。

「日本に携わる仕事がしたい」

最後の一台を送り出したのが2017年10月。入社3年目の社員にやらせてみたくらいだから、たしかに「比較的やりやすい案件」だったのかもしれない。しかしもちろん、トゥイにとっては緊張の連続、勉強の連続だった。そしてそれこそが会社の狙いだ。早いうちから責任ある仕事を与え、周りでサポートしながら育てていく。デビュー戦としてトゥイは、見事、期待に応えた。

「すべて終わったときには、お客様や先輩たちへ感謝の気持ちでいっぱいでした。PMをやっているからこそ、シンガポールのお客様のような素敵な出会いもあり、次の仕事への励みになりました」。

今ではアメリカの発電所向け案件を5件並行して担当しており、当時の仕事を「今思えば楽だった」と振り返る。そう言えるのが何よりの成長の証だ。

トゥイの出身はベトナム北部、美しい海が広がる湾岸都市。家の近くに日系企業の工業団地があったこと、日本のアニメやドラマが大好きだったことなどから、日本に行ってみたい、日本に携わる仕事がしたいと思うようになった。実際、ハノイの大学在学中に姉妹校である九州の大学へ編入。そこで九トリ*のインターンシップを経験したことをきっかけに本社へ新卒入社した。「めちゃくちゃ頭いいけど、全然ひけらかさない。どちらかというと天然(笑)」と同期の仲間からはからかわれるようなキャラだが、芯は強く、志は高い。

新入社員全員が課題の一つとして挑戦する新聞社主催のフレッシャーズ産業論文コンクールでは、トゥイの論文が応募総数788偏の中から「優良賞」を受賞した。日本語ネイティブをおさえての全国四位だ。日本企業と外国人労働者がWinWinの関係を築くために、自らの考えを展開した。 最初はベトナムに帰ってきてほしいと寂しがっていた両親も、今では日本で立派に活躍しているそんな娘を自慢に思っているという。トリシマにとっても自慢の社員だ。

*トリシマの連結子会社、株式会社九州トリシマ。1990年、小型標準ポンプの生産拠点として設立、1992 年に佐賀県武雄市で創業開始。

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